こんにちは、新潟在住・50代主婦のレアかおです。
空港で預けた荷物が、目的地で出てこない——想像するだけでゾッとする「ロストバゲージ」。
実は私自身、2023〜2024年の年末年始のバリ島旅行で、私たち夫婦のゴルフバッグ2つがまるごと届かないという体験をしました。
そのとき困ったのは、いざ自分がその立場になって情報を探しても、ネット上の記事が驚くほど薄かったことです。
「PIRを書きましょう」「保険を使いましょう」——それはわかる。でも、その先が知りたいのに出てこない。
特に私がぶつかったのは、「ゴルフバッグはスポーツ用品だから免責、補償はできません」という航空会社の壁でした。
それでも諦めずに交渉した結果、最終的に補償を勝ち取ることができました。
この記事では、あのとき私が欲しかった「濃い情報」を、次の3つに分けてお伝えします。
同じ不安を抱えてこの記事にたどり着いた方の、お守りになればうれしいです。
バリ島の空港でゴルフバッグが出てこない
2023〜2024年の年末年始、私たち夫婦は成田からシンガポール航空でバリ島へ向かいました。
シンガポールのチャンギ国際空港で約5時間の乗り継ぎを経て、バリ島のデンパサール国際空港に到着。ゴルフを楽しみにしていた旅でした。
ところが、バゲージクレーム(荷物の受け取り場)でいくら待っても、預けたゴルフバッグ2つが出てきません。
ターンテーブルが止まっても、私たちのバッグだけがない。

まさか、うちのゴルフバッグだけ……?
乗り継ぎのある便では、こうしたロストバゲージが起こりやすいと後で知りました。
ここで慌てずにやったのが、空港のバゲージクレームカウンターへ行くことです。
係員に、次のものを提示・申告しました。
- パスポート
- 航空券の半券(預け荷物のシール=手荷物引換証が貼られたもの)
- 宿泊するホテル名・滞在期間・帰国日
- ゴルフバッグの特徴(色・形・ブランドなど)
そして、PIR(Property Irregularity Report=手荷物事故報告書)という控えを受け取り、連絡先を確認しました。
この書類が、あとで保険を申請するときにも、荷物を追跡してもらうときにも要になります。

ロストバゲージが分かったら、その場を離れる前に必ずPIRを受け取ってください。
これがないと、後の補償手続きが一気に難しくなります。
バッグなしでもゴルフは決行——そして翌日
実はこの旅、ゴルフは当初2日間の予定でした。でもゴルフバッグが届かないことには、どうにもなりません。
悩んだ末、1日目はバッグなしで決行、2日目は泣く泣くキャンセルという、苦渋の決断をしました。
ゴルフのために、現地で調達したのがこちらです。
- ゴルフクラブのレンタル
- ゴルフシューズのレンタル
- ゴルフボール・グローブ・帽子・ウェアなどの購入
もちろん出費は痛かったですが、
使ったレシートは全部とっておく——これが後の補償で効いてきます。
そして翌日、ゴルフに向かう日の朝、スマホで荷物の追跡ページを確認すると、「見つかった可能性があります」という更新が入っていました。

残念ながら、私たちのゴルフバッグは手元に届かないまま、ゴルフ場へ。しかし、この日のラウンドでは、もうひとつ心強い出来事がありました。
担当してくれたキャディさんに事情を話すと、「妹が空港で働いているから、聞いてみるね」と言ってくれたのです。
スマホに保存していたPIRの控えを見せると、プレーの合間にも連絡を取ってくれて、「今はまだ届いていないけど、もうすぐホテルに届くはず」と、何度も励ましてくれました。
(このときのゴルフの様子はバリ島連載 第3弾(ゴルフ編)で詳しくご紹介しています。)

そして、ゴルフを終えてホテルに戻ると——フロントに、私たちのゴルフバッグ2つが、ちゃんと届いていたのです。(なぜか片方のバッグだけ、カバーが失くなっていました。)
……このときの気持ちは、正直、少し複雑でした。
「戻ってきてよかった」と、もちろんほっとはしました。
と同時に、現地調達にかかったお金は戻ってこないし、楽しみにしていた2日目のゴルフは、もうキャンセルしてしまったあと。そして何より——このゴルフバッグ、いったい何のために戻ってきたの? と。
雪国からはるばる、あの重いゴルフバッグを2つ、えっちらおっちら運んできたのに。
肝心なときには使えず、結局そのまま、また日本へ持って帰るだけ。
「あなたたち、いったい何しに来たの……」と、思わずバッグに問いかけたくなりました(笑)。


同じような体験をした方なら、この「戻ってきたのに、なんだかなぁ」という気持ち、きっと分かっていただけるのではないでしょうか。
——でも、話はここで終わりません。戻ってきた荷物は、立て替えた費用までは返してくれないのですから。
「スポーツ用品は免責です」——まず成田で航空会社に交渉した
では、その立て替えた費用は、どうやって取り戻したのか。
帰国後、私が最初に向かったのは、航空会社のカウンターでした。
成田空港に着いてすぐ、シンガポール航空の担当者に事情を伝えました。
(対応窓口は、同じスターアライアンスのANA〔全日空〕のバゲージクレームカウンターで、そこにシンガポール航空の方が出てきてくれました。)
ゴルフバッグが2つとも届かず、現地でレンタルや買い足しの費用がかさんだこと。
そして——ゴルフバッグを預けるために、わざわざ荷物を多く預けられる運賃を選んでいたことを伝えました。
シンガポール航空のエコノミークラスの中でも、30kgまで預けられる上位の運賃をあえて選んでいたのです。
しかし、その場でははっきりした返事はもらえず、担当者と連絡先を交換して、やり取りはメールに移りました。
そして後日届いたメールの答えは、やはり厳しいものでした。
スーツケース以外のスポーツ用品などは、航空会社の免責となります。
たしかに、預けるときに荷物のタグの免責欄にサインをした記憶はあります。
ただ、いつも説明されるのは「壊れたときの免責」で、「届かないときも免責」とは、一度も聞いたことがありませんでした。
とはいえ、サインをしたのは事実。
ここで多くの人は「仕方ないか」と引き下がってしまうでしょう。
でも、そのメールをよく読むと、こんな一文も添えられていたのです。
「一度、デンパサール支店に補償ができないか確認します」——このわずかな望みに、私は賭けてみることにしました。
レシートをそろえて、粘り強く申請した
しばらくすると、シンガポール航空から連絡がありました。
「まず、ゴルフバッグが手元に届くまでにかかった費用のレシートを送ってください」と。
私は、とっておいたレシートをPDFにまとめて送りました。内訳はこんな感じです。
- ゴルフクラブのレンタル代(8,300円)
- ゴルフシューズのレンタル代(1,459円)
- ゴルフボール・グローブ・帽子・ウェアなどの購入代(15,127円)
- ゴルフコースのキャンセル分の返金手数料(925円)
- ゴルフバッグカバー【2つのうち1つが紛失】(2,600円)
合計は 28,411円。「レシートは全部とっておこう」というあの決断が、ここで効いてきました。
さらにその後、正式な申請書類が郵送で届き、「レシートの原本も郵送してほしい」とのこと。
書類に記入し、原本を添えて返送しました。地味なやり取りですが、こういう手続きは、確実に一つずつ進めるしかありません。
なお、このときクレジットカード付帯保険(三菱UFJプラチナカード)への請求も、受託手荷物遅延補償の申請として並行して進めていました。航空会社とクレジットカード付帯保険、両方の精算がどうなったかは、このあと整理します。

音沙汰がなくても、こちらから追いかける
ここで、海外の手続きならではの「あるある」がありました。
シンガポール航空に書類を返送したあと、しばらく先方から何の連絡もなかったのです。
2月中旬に必要書類を返送したのに、待てど暮らせど音沙汰なし。
そこで3月中旬に私はもう一度シンガポール航空へメールを送りました。
「2月中旬に書類を返送しましたが、その後どうなっていますか?」と。
すると——
「確かに2月中旬に受理しています。現在処理中で、振込までおよそ3〜4週間ほどかかります」
との返事。そしてその言葉どおり、後日ちゃんと振り込まれました。

粘ってよかった……!
ここで大事なのは、待っているだけでは進まないことがあるということ。
おかしいなと思ったら、こちらから礼儀正しく催促する。これも、泣き寝入りしないための大切な一歩です。
そして、気になる結果です。
まず、免責(補償の対象外)になったのは、ゴルフバッグカバー代(2,600円)と、ゴルフコースのキャンセル分の返金手数料(925円)の2つ。
残りの費用について、シンガポール航空からは「免責分を除いた8割ほどを負担します」との回答。
後日、19,300円が日本円で振り込まれました。(振込まで2か月ほどかかったので、8割きっかりにならないのは、為替レートの影響もあったのかもしれません。)
「スポーツ用品は免責」という原則からすれば、これはイレギュラーな対応だったと思います。
では、免責分と、補償しきれなかった残りはどうなったのでしょうか。
ここで頼りになったのが、並行して手続きを進めていた、クレジットカード付帯保険の受託手荷物遅延補償です。
ただし、この補償には上限(私の場合は2万円ほど)があり、もし航空会社の補償がゼロだったら、この28,411円は全額まかないきれず、8千円ほど足りない計算でした。
でも今回は、航空会社が費用の大部分を負担してくれたおかげで、残りをクレジットカード付帯保険がカバー。実際に下りたのは8,212円でした。
最終的に、自己負担として残ったのはわずか899円。
正直にお伝えすると、厳密には「全額回収」とはいきませんでした。
それでも、立て替えた28,411円のうち27,512円が戻ってきた——ほぼ全額を取り戻せた、という結果です。
航空会社とクレジットカード付帯保険、両方を組み合わせたからこそ、ここまで取り戻せたのだと思います。
これは「必ず補償される方法」ではありません。
私の場合も、半分はダメ元でした。担当者の判断に助けられた部分も、きっとあります。
それでも——言ってみなければ、何も始まらなかったのも事実です。
あのとき成田で引き下がっていたら、戻ってきたのはクレジットカード付帯保険の2万円だけ。
残りの8千円あまりは、自己負担で飲み込むしかありませんでした。
海外では「言わない人には何も起きない」場面が本当に多いと感じます。日本人はつい遠慮して、黙って損を飲み込んでしまいがちです。
でも、礼儀正しく、粘り強く、事実を伝える——それだけで、道が開くことがあります。
よくある質問(FAQ)
- Qロストバゲージに気づいたら、空港でまず何をすればいい?
- A
その場を離れる前に、バゲージクレームカウンターでPIR(手荷物事故報告書)を必ず受け取ってください。パスポート・航空券半券・滞在先・荷物の特徴を伝えます。
この控えが、後の追跡と補償手続きの要になります。
- Qゴルフバッグなどのスポーツ用品は、やっぱり補償されない?
- A
チェックイン時に免責のサインをしていると、航空会社は原則として費用を出しません。
ただし、私の場合は事情(手荷物枠の大きい運賃をあえて選んでいたこと)を粘り強く伝えて、免責分を除いた費用の約8割を補償してもらえました。
あくまでイレギュラーですが、ダメ元で相談してみる価値はあります。
- Qクレジットカードの保険だけで足りる?
- A
クレジットカード付帯保険の受託手荷物遅延補償は、1人あたり1〜2万円程度と上限が低めのことが多く、実費に足りないケースがあります。
足りない分は、航空会社への相談や、別途加入した海外旅行保険と組み合わせて考えるのがおすすめです。
まとめ|言ってみる価値はある
ゴルフバッグがまるごとロストバゲージになった私の体験を振り返ると、大事なのは次の3つでした。
- 空港を離れる前にPIRを受け取る——これがすべての手続きの出発点
- レシートは全部とっておく——立て替えた費用は、あとで補償の対象になる
- 「免責です」で諦めない——礼儀正しく、粘り強く、事実を伝えれば道が開くことがある
ひとつ、正直にお伝えしておきたいことがあります。
最後まで残った約900円は、自己負担になりました。厳密には「全額回収」とはいかなかったのです。
成田での交渉、レシートの整理、書類の郵送、催促のメール——正直、それなりの手間と時間もかかりました。
「たった900円のために、そこまで?」——そう思う方もいるでしょう。
でも正直に言うと、私は900円のために動いたわけではありませんでした。
最初に「免責です」と言われたあの瞬間、どうしても納得がいかなかった。ただ、それだけです。
結果、8千円あまりが戻ってきて、自己負担は約900円まで小さくなった。
これを「やった甲斐があった」と取るか「割に合わない」と取るかは、あなた次第です。
ひとつの参考として、ありのままをお伝えしました。
そして、最後にいちばん大切なことを。
こうしたトラブルは避けきれなくても、備えがあれば痛手はぐっと小さくできます。
任意の海外旅行保険で「受託手荷物の遅延・紛失」の補償をつけておくと安心です。
今回のことで、私はそれを実感しました。
クレジットカード付帯保険は上限が低めなので、それだけでは足りないこともあります。
ゴルフやスキーやサーフボードのように、大きなスポーツ用品を預ける旅なら、なおさらです。
荷物が出てこないと分かった瞬間は、本当に頭が真っ白になります。
でも、「こうすれば大丈夫」という道筋を知っているだけで、心の余裕がまるで違います。
そして何より——あなたには、声を上げていい権利があります。

泣き寝入りしないで、ひとこと言ってみてほしいです❣️
この記事が、いざというときのお守りになればうれしいです。
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